In vivo selective imaging and inhibition of leukemia stem-like cells using the fluorescent carbocyanine derivative, DiOC5(3)

思い起こせば3年前、ある工業系の会社から支給された300種類以上の蛍光化合物をがん細胞に振りかけることを思いつき、単なるがん細胞だと面白くないので、それならばがん幹細胞だと実験を始めました。

しかも、当時はがん幹細胞はフラスコの中で増やすのが難しかったので、「ゼブラフィッシュにがん幹細胞を移植して試験しまくる」という魚を用いたスクリーニング研究です。

 

正確には対象としたのは白血病のがん幹細胞、白血病幹細胞(leukemia stem-like cells)です。

ちなみに前作前々作からの一連の研究になります。


当時入学したての中国からの大学院生のテーマとしては、当たるか外れるかの厳しいプロジェクトでしたがいくつかヒットが見つかり、そのうちの1つ「DiOC5(3)」を論文発表しました。


私(equally contributed first author)とその大学院生で論文を書き、ようやく投稿できたのは、私がライデン大学、大学院生はオスロー病院に異動してからでした。

それでも研究成果を世間に発表できて嬉しかったです。


一応、取材も受けたようです。自分には全く知らされていなかったですけど(よくある笑)。


一応、内容紹介(研究者のブログですし)。。

ゼブラフィッシュスクリーニングで発見したこのDiOC5(3)という蛍光物質は、普通のがん細胞に対しては対した毒性を示さず、一般的に無害な細胞染色剤と考えられていました。今はもっとよい蛍光色素があるので、実際はほとんど使われていはいません。


これを白血病幹細胞を移植したゼブラフィッシュに与えると、がん幹細胞がぴかっと樋廽r、さらにその数がみるみる減って行きます。


顕微鏡で観察すると、DiOC5(3)はがん幹細胞内のミトコンドリアに蓄積していることがわかり(DiOC5(3)自体が光っているのでよくわかる)、これは他のがん細胞では起きにくいのです。


さらに研究を進めると、 DiOC5(3)はがん幹細胞の表面にだけ発現しているOATPトランスポーター、SLCO4A1, SLCO4C1を介して、細胞内に取り込まれていることがわかりました。


そして最後になぜ細胞内、ミトコンドリアにたまったDiOC5(3)ががん幹細胞を殺すのか?

そこを解明するため、まずはがん幹細胞治療薬の定番メカニズム、活性酸素と NF-κBの核内移行を・・・と、すべてを書いてしまうと、copywriteの関係で雑誌社からクレームが来るかもしれないので、

 

続きはWebで。


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